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はなたのオールドロマンティクス

映画みて、感想をブログに書いてます。NetflixやHuluで観ることもあり、その場合はカテゴリに表示しています!

君の名は。

映画 新海誠

映画館でみてきました。面白かったです。

 

君の名は。

2016年 日本

原作・脚本・監督 新海誠

声優 上白石萌音神木隆之介

あらすじ

ド 田舎の小さな町に住む女子高生、三葉(みつは)はある時から東京の男子高生、瀧(たき)くんになった夢を見る。とてもリアルな夢だ。瀧くんもまた三葉とし て一日を送る夢を見る。しかしどうも夢ではないようだ。二人は時々お互いの身体を入れ替わり、全く他人の生活に苦労し、あるいは楽しみながら、相手に自分の生活を垣間見られる恥ずかしさ の中でなんとかやり遂げていた。しかしある日を境にその交換は起こらなくなる。三葉として目覚めない瀧くんは電車に乗って彼女に会いに行くのだが、どこに も彼女の住む町は無い。なぜ無いのか?三葉はどこにいるのか・・・?

 

 

 

ネタバレありの感想

二人の高校生

それぞれ東京の四ツ谷あたりと岐阜のどこかの町に住む二人は、全然違った日常を生きている。

しかし共通点はいくつかある。

・面倒見の良い友達がいること。

・他人の生活を押し付けられても投げ出さない真面目さがあること。

・母親がいないこと。

・相手の日常に居る時のほうが、いつもよりちょっと生き生きすること。

 

最初の二つは物語の進行上欠かせないとして、母親の不在はなんとなく平凡な高校生にしては少し大きな空白がある印象。相手の生活を楽しめるのは、お互いの「ダメなところ」を指摘する代わりに自分で行動してしまうところが伺える。

 

二人の関係

直接会うことなく、お互いの家族や友達、日記を介してだけ相手と触れ合う物語の進行は、新海作品の「ほしのこえ」とか「秒速5センチメートル」とかと同じである。

相手には会えないけど、遠くから遅れて届くメールや手紙を頼りに「弱い」コミュニケーションをする、という設定にしては顔に悪態を書いたりして軽やかに親しげに描かれている。

 

ところで物語の後半、一度は彗星の落下によって町もろとも死ぬ運命の三葉だったが、入れ替わりの相手である瀧くんの頑張りでそれを免れる。

亡き母の実家である宮水神社の家系には代々そういう入れ替わりが起こる、ということが語られるのだが、何か超常現象的な宮水神社の力によって彗星落下の犠牲者が救われる、ということなのだろう。

瀧くんは間違いなく三葉をはじめとする糸守町の人々の命の恩人である。

 

ではなぜその役目が瀧くんである必要があるのか?糸守の絵を上手に描けるから?三葉のことを大切に思って全力で行動してくれるから?その役目が終わったら宮水神社さん恩人である瀧くんには何の用事もなくなるの?

 

色々な疑問が思い浮かぶが、まあ二人が入れ替わりながら精神的に結びつけられていること(そもそも何らかの関係が二人にはあるからその入れ替わりが起こるのかも知れない)が何よりも瀧くんと三葉との関係が深く、分かちがたいものである証明そのものということなのでしょう。

 

結びは、恋愛?

深い結びつきによって入れ替わりを経験し、

「三葉を死なせたくない」思いで行動する瀧くん。

もちろん誰でも恋人には死んで欲しくないものですが、それは親や兄弟、友達や恩人でも同じこと。

本当に二人の関係は恋愛なの?という気もする。

 

二人の関係は何か超常現象的なもので結ばれていることは明らかだが、同時に直接会って話すことがままならない大きな壁がある。

いつも心の中を占めている相手がいるのに、すぐに返事が返ってくる会話や直接触れることがままならない不自由さの中で二人はお互いに思いを募らせる。

この状況は、「好きな人」が出来てもマトモに会話もままならないまま勝手にその人を「好き」でいることが好きな状況にとても似ていて、その辺が体中が痒くなる人がいる理由でしょう。

通信制限みたいな中でその不自由さがより燃料となって燃える恋愛っていうのは、恋に恋をしているだけで相手とコミュニケーションしている状態とは言えないでしょうけれども、まあ、楽しいものだし青春の醍醐味みたいなものでしょう。

いつまでたってもやってられることではありません。

 

この二人が大人の恋愛だとしたら不倫みたいなもん

この不自由な二人の関係、何かに似ているな~とずっとモヤモヤしながら見ていたが、不倫カップルのようではないだろうか。

例えが非常に悪くて恐縮ですが。でも面白いと思っているからこそなのですが。

 

なぜ不倫カップルかと言うと、二人が直接会って話せない大きな隔たりの中でコミュニケーションしている不自由さが似ているから。

不倫カップルはもちろん面と向かって話せるが、けっこう不自由。

大手を振って色々な人の前に出ていけず、家庭や未来のことというカップルが当たり前に話し合うトピックを避けなければならない。

でも実はそういう遠慮のある関係だからこそその関係性に於いては楽しく恋愛している場合が多い、かも知れない。

 

だから、この映画で二人が最後に出会った後、日常を二人で生きていってもいいシチュエーションになってしまったらその関係が壊れるのではないかといらない心配をする。

秒速5センチメートルの時のように、ちょっとしたスレ違いで出会わない・・・という方が、二人の関係性には合っているようにも思える。

 

ま、親しき仲にも礼儀ありとかそういうルールを守って取り組めば、二人の間の障害が無くなってもお互いのことで頭がいっぱいになれるような恋愛が可能なのかも知れないが。

 

全体的に

ゲスっぽい恋愛の話にあてはめて書いてしまって大変恐れ多いのだがこの映画はとても良かった。映像はとてもキレイだし全体的にキャラクターもかわいい。

ちょっと音楽が好き嫌い分かれるところだろうけど、これまで書いてきた通りの周囲が見えなくなる恋愛らしき何かを表現するにはとても良かった。